MicrosoftAccessでできる事・できない事

こんにちはAccessの壺です。

私は臨床工学技士という仕事をしながらMicrosoftAccessを使ってシステムを作っては修正して、作っては修正して・・・という事をかれこれ16年間続けています。

MicrosoftAccessを使ったシステムの作成は、上司から命令されて始めたわけでもなく、なんか面白そうだからやってみよう!という所から始まり

自分の作ったシステムが仕事をスムーズに回していく。そんな感覚が大好きで続けています。

まあずっとMicrosoftAccessを触っていたわけではありません。

当然、通常業務があってのシステム開発です。

私が就職した当初は、私の勤める病院で臨床工学技士が活躍するフィールドは、血液透析がメインでした。

そこから、病院内のME機器の中央管理を進めていくうえで、台帳管理をPCで出来ないか?という思いから、MicrosoftAccessを本格的に勉強し始めました。

16年間やっていると、MicrosoftAccessでできる事、できない事というものがだんだん分かってきました。

目次

できそうと思う事は出来る

 MicrosoftAccessでできる事って何だろう?

沢山のデータを多くの人数で入力したり閲覧したりする場合にMicrosoftAccessは向いています。

例えばアンケートの集計なんていうのはMicrosoftAccessの得意分野です。

Excelでもアンケート集計は出来ますが、入力フォームをつくるのがAccessよりもめんどくさいんですよね。(私がそう思うだけかも知れませんが・・・)

それにExcelファイルは1つのxlsxファイル(Excelの拡張子)を同時に2人のユーザーが開くことができません。

NAS(ネットワーク対応HDD)に保存されているAccessファイルなら同時に複数人で開くことができます。

みんなで力を合わせてデーター入力をするのにAccessは向いているのです。

私が病院で勤務していて、何度か看護師さんからアンケート集計のシステムを作ってほしいと依頼を受けたことがあります。

この手のシステム開発は打ち合わせが大切で、やっぱり同じ施設内の人に作成依頼できる体制というのは便利なんだろうなぁと思います。

・・・私は依頼を受ける方ですけどね。

できそう・・・と思いう事は出来るという事なのだと思います。

私は臨床工学技士として、血液透析に関する業務にかかわっています。

私が就職した当時は、今のような透析部門システムというものは無くて、透析患者さんの治療条件

ドライウエイト、抗凝固剤、ダイアライザー、治療時間などは紙の台帳に記載されたものを、記録用紙に転記してそれを元に治療を行っていました。

紙の台帳の事をカーデックスと呼んでいましたね。

カーデックスから記録用紙にドライウエイトや抗凝固剤、ダイアライザーを転記する時は、2人のスタッフでダブルチェックをしてから治療を始めていました。

・・・が、やっぱりミスは起こります。

手書きから、まずExcel形式で記録用紙をつくり、そこにドライウエイトなどの治療条件を入れておく。

という所から、手書きからパソコン管理することが始まりました。

ただExcelファイルもやっぱり入力ミスが時々ありました。

患者さんの人数が増えてくるとデータ量が大きくなって、Excelファイルが破損するという悲劇にも見舞われたことがあります。

そこで始めたのがMicrosoftAccessによる透析条件の管理です。

Accessで透析条件の管理を初めて変わったことは、同時に2人以上で一つのファイルを開くことができるし、VBAを駆使して何か透析条件を変更した場合は変更履歴が残るようにしました。

透析条件の変更をした場合は、他の人に確認をするように人の動線も工夫して、転記ミスや入力ミスの削減にかなり貢献できたんじゃないかと思います。

中にはこれは無理だなという事もある

MicrosoftAccessには不得意な分野もあります。

それはグラフ表示です。

Accessはテーブルやクエリのデータを一応グラフとして表示することが可能です。

やり方もグラフウィザードを使って「次へ」「次へ」とボタンを押していけば出来上がるので、とりあえずのグラフは簡単に作れます。

Accessのグラフは「MicrosoftGraph」で動いています。MicrosoftAccess単体で動いているのではなく、Accessとは外部プログラムで動いています。

そのため動作が悪い。(Microsoft様すいません)

そんなグラフを作るのにはトコトン向いていないMicrosoftAccess。

私が、Accessでは作るのが難しいな・・・と思ったのは、

電子カルテシステム。

ちゃんとした電子カルテシステムをつくるわけではなくても、使用に耐えうるシステムを実現するところまでAccessで作り上げるのが手間がかかるかも・・・っていう事です。

電子カルテには「電子カルテの3原則」というものが存在します。

  1. 真正性
  2. 見読性
  3. 保存性

この3つです。

この3つをMicrosoftAccessで作るのは、結構大変だ。

透析部門のシステムを運用していたので、透析に特化した記録システムをつくろうかとも考えましたが、手を出すのはやめておきました。

データを入力して、それを処理することはには秀でているAccessですが、診療情報を公的な記録として管理するのは少しハードルが高いかもしれません。

1人でやるには限界がある

 MicroSoftAccessは組織の中の誰か一人ができるようになると、業務が驚くほど楽になります。

それは、私が体感したことです。

システムをいろいろ作ってきた上で感じるのは、結局のところシステムを1人で管理するのは限界があるという事です。

私の職場には私がMicroSoftAccessで作ったシステムがいくつか稼働しています。

10年くらい前は、私が一番下っ端だったので考える事がありませんでした。

最近になって思うのです。もし私がいなくなったら・・・このシステムたちはどうなるのだろうか?

MicrosoftAccessの操作はVBAを含めてそれほどの難易度ではありません。

しかし現場で・・・

とりわけ医療の世界でAccessに興味を持って勉強しようという人はやっぱり少数派なんです。

でも中には物好きな人もいてAccessをつかったシステム開発に興味を持ってくれる人がいます。

1人から2人へ

2人から3人へと

Access使いが増えてくれることを願う今日この頃です。

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この記事を書いた人

こんにちはAccessの壺です。
臨床工学技士としてどこかの病院で働いています。
夜な夜なMicrosoftAccessで遊びたおして、独学で病院内のいろんなシステムを開発してきました。
透析患者さんの透析条件管理システムやME機器管理システム、アンケート集計などなど作ってきました。
Accessの楽しさを発信するために、このサイトを運営中。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 私が居なくなった後のシステムメンテナンスを誰がするのか。同感です。一般事務ですが、社会のデジタル化が進むが故に、複数のシステムがcsvやtxtを吐出しAccessVBAが別のシステムの為の橋渡しをしております。周囲のシステムが変更された時、誰が対応するのか…恐怖です。

  • 杉浦由幸さま
    コメントありがとうございます。何故かAccessを使える人がなかなか増えないんですよね・・・こんなに面白いのに。

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